ESGの取り組み

テクノロジーの発展による劇的な変化、都市化現象、エネルギーの移行などの大きな世界的トレンドは、株式投資家にとって胸躍るテーマ投資のストーリーを提供する。しかし、投資家がテーマ投資をうまく行うためには、何が持続するテーマなのかを見極める明確な基準に加えて、リターンの改善可能性やテーマの純度を備えたポートフォリオを構築するための一貫したプロセスが必要となる。さらに、通常のアクティブ運用の株式ポートフォリオと同様、厳格さや規律、リスク管理能力も重要となってくるとアライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)は考える。

グローバル市場はますます複雑になり、短期思考に左右されている。こうした中では、変化を起こし、世界を変えつつあるパワーについて熟考することにより、長期的な投資リターンにつながるような魅力的なアプローチを見いだすことができる。テーマ投資は、強力で普遍的な魅力を持つストーリーに基づいて、投資ポートフォリオを通して戦略的に未来を描くことにより、現代の市場において富を生み出す差別化された手法となり得る。

テクノロジーがもたらす劇的な変化からエネルギー移行に至るまで、人々は投資リターンにつながりそうなストーリーに惹きつけられる。しかし、魅力的なストーリーの単純さに飛びつくことは時に危険だ。トレンドを利用して投資を成功させるためには、持続しそうな変化からテーマを見出し、長期的かつ持続的に高い利益を生み出す可能性がある銘柄を注意深く選択する必要がある。投資家はまた、テーマ投資戦略が全体的な資産配分とどのように調和するのかを慎重に評価しつつ、テーマ投資ポートフォリオ構築に伴う特別なニュアンスにも細心の注意を払わなければならない。

近年、リターンをあげる新たな可能性を探し求める動きを受け、テーマ投資ポートフォリオが人気を博している。株式投資家にとって魅力的なテーマは、インフラ整備、気候変動、食糧不足や食糧生産に関連した農業の転換など、物理的な世界の課題はもちろん、テクノロジーや社会の問題にまで及んでいる。

しっかりと定義されたテーマ投資のトレンドは、長期的な政策、物理的あるいは社会的な変化に関連づけられるべきであり、トレンドの初期においては認識が難しいこともある。一般的に、こうした種類のテーマは、企業による成長機会への期待を受けて、長期間にわたる設備投資サイクルを促す傾向がある(図表)。ABが行った、過去30年間に起きた重要な変化の一部に関するリサーチでは、各テーマが展開するにつれ、関連セクターが市場全体のベンチマークを大幅にアウトパフォームしてきたことがわかっている。例えば、1999年から2014年にかけて起きた化石燃料のスーパーサイクルの間に、エネルギー・セクターがS&P500指数を年率7%アウトパフォームした。近年では、2009年に始まったクラウド・電子商取引サイクルの間に、テクノロジー株式のリターンが米国市場を同じく年率7%上回った。

テーマを見いだすのは出発点に過ぎない。過去を振り返って力強い設備投資サイクルの期間を特定するのは簡単だが、テーマがいつ始まり、そしていつ終わるのかを予想するのははるかに難しい。テーマ投資否定派はこうした理由から、よくできた魅力的なストーリーが必ずしも優れた投資につながるとは限らないと主張しており、それも完全に間違っているわけではない。投資家がテーマ投資をうまく行うためには、何が持続するテーマなのかを見つけ出す明確な基準や、実際のリターン改善につながり得るポートフォリオの一貫した構築プロセスが必要だとABは考えている。そして何よりも、他のアクティブ運用の株式戦略に劣らない厳格さ、規律、リスク管理能力をもって、テーマ投資のポートフォリオを構築しなければならない。ABはこのレポートで、投資家がテーマ投資のポートフォリオについて確かな情報に基づいて選択したり、そうしたポートフォリオを全体的な資産配分戦略に組み込むにあたって手助けになると考えられる効果的なテーマ投資の原則について考察した。

*ブロードリッジのデータに基づきます。 

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