ターゲット・イヤー・ファンドとは
ターゲット・イヤー・ファンドは、ターゲット・デート・ファンドとも呼ばれており、あらかじめ目標とする年(ターゲット・イヤー)を目指して、最初は積極的にリスクを取った運用を行い、ターゲット・イヤーに向けて徐々に安定運用になるよう、自動的に資産配分が変更していくタイプの投資信託をいいます。
ターゲット・イヤー・ファンドは、さまざまな目的で活用できますが、老後の資産形成のために活用されることが多く、その場合、リタイアメント(定年退職)をターゲット・イヤーとすることが一般的です。ターゲット・イヤー・ファンドには、ターゲット・イヤー到達後に完全な安定運用に切り替わるタイプ(To retirement)と、ターゲット・イヤー到達後も運用を継続するタイプ(Through retirement)の2つのタイプがあり、老後の資産の使い方によって使い分けることが可能です。
ターゲット・イヤー・ファンドは、1990年代前半に米国で誕生し、若いときから取り組める金融商品として、確定拠出年金制度やIRA(個人退職勘定)等を通じて拡大を遂げています。日本においては、退職後の資金作りの重要性が謳われるようになってからファンド数や残高が少しずつ増え始めています。
※上記はイメージ図です。
出所:AB
ターゲット・イヤー・ファンドの特徴
ターゲット・イヤー・ファンドは、年齢やライフサイクルが資産構成を考える上で重要な要素であるという考えを基本にしています。若い時はこれから先に多くの収入を稼ぐため、たとえ資産運用から損失が生じたとしても耐えられることに加え、マイナスを被っても回復まで十分に待つことができるため、株式を中心としたリスク資産を中心とすることで、高いリターンを狙った運用を行います。一方、定年退職などのターゲット・イヤーが近くにつれ、保有する金融資産は大きくなりますが、将来、稼ぐ収入が減り、大きな損失への耐性が弱くなります。また、マイナスを待つだけの時間も限られることから、債券を中心とした保守的な資産配分に切り替えていきます。
通常では、ターゲットとなる西暦の異なるファンドが数本用意されていて、自分にあったターゲット・イヤーのファンドを選択することができます。
ターゲット・イヤー・ファンドのメリット
株式や債券に分散投資を行いながら、年代やライフサイクルに合わせて自動的に資産配分が変更されるので、自分で資産配分を変更するといった手間を省くことができます。
投資初心者や現役世代などの忙しくて時間がないという方にメリットが大きく、長期での資産設計に適したファンドです。