中小型株とは
中小型株とは、一般的に株式市場において、時価総額で見て相対的に中規模及び小規模となる株式/銘柄のことを指します。一方で、時価総額で見て相対的に大規模となるものを「大型株」と言います。
規模別の分類方法
中小型株や、大型株の分類は時価総額や流動性による分類が一般的です。またその分類基準では、世界的に「時価総額でいくらまでが大型株」といった絶対金額による分類ではなく、その株式市場内での相対順位で分類されることが一般的です。例えば日本におけるTOPIXニューインデックスシリーズを見ると、東証一部上昇銘柄の仲で時価総額及び流動性が特に高い100銘柄が大型株(TOPIX100)、次いで時価総額、流動性が高い400銘柄(TOPIX MID400)が中型株、それら以外が小型株(TOPIX SMALL)と分類されます。
出所:AB
中小型株の特徴
大型株と比較した中小型株の一般的な特徴は次のとおりです。
- 長期的により高いリターンが期待できるが、リスクも大きい
- アナリストがカバーしている銘柄が少なく、「ダイヤの原石」を発掘しやすい
長期的により高いリターンが期待できるが、リスクも大きい
例えば、米国株式市場における代表的な時価総額別指数を1979年末以降の約40年間で比べると、長期的なリターンは中小型株の方が大型株よりもより高いリターンとなります。これは企業の成長過程において、成長初期段階では競合他社なども少なく、大型株の成長と比較すると、より高く飛躍的な成長となるケースが多いことが、その背景として考えられます。一方でまだ体制がしっかりしていないとか、ビジネス・モデルの分散が図られていない、など企業としての安定性は大企業(=大型株)と比較して低くなるためか、リスクは大型株よりも高い傾向があります。
アナリストがカバーしている銘柄が少なく、「ダイヤの原石」を発掘しやすい
また、一企業を分析する株式アナリスト数は、大型株よりも中小型株のほうが少ない傾向があります。これは株式アナリストが投資家の注目が集まりやすい大企業の調査を優先する傾向があるためと考えられます。この結果、中小型株の中には将来的に高い成長が期待できるにもかかわらず、まだ市場参加者にその期待が広まっていない企業、つまり「ダイヤの原石」のような銘柄が数多くあります。このため、それらを他の投資家よりも先に発掘することにより、市場平均よりも高いリターンを狙う「アクティブ運用」がより有効であると一般的に考えられます。