劣後債とは
劣後債は、株式と債券の特質を併せ持つハイブリッド証券のひとつです。普通社債に比べて、法的弁済順位が低くリスクが大きい分だけ、劣後債に投資することで、相対的に高い利回り収入を狙えます。
法的弁済順位が低いかわりに、相対的に高利回りの債券
劣後債は、企業の発行する社債のひとつです。普通社債と比べて元本および利息の法的弁済順位が低くなっており、債務不履行のリスクが大きい分だけ、相対的に利回りが高く設定されています。
出所:AB
ハイブリッド証券のひとつ
劣後債の弁済順位は、普通社債より劣後するものの普通株式に対しては優先されることから、株式(資本性)と債券(負債性)の性質を併せ持つと考えられており、そのため優先証券等と合わせてハイブリッド証券と呼ばれることがあります。
特に金融機関においては、一定の制限のなか、自己資本比率規制において資本として計上することができ、株式発行に伴う希薄化による株価下落を回避できることもあって、資本増強の手段として発行が多くなっています。また、発行体による早期償還条項が付帯されている債券が多いのも特徴です。
劣後債に投資するメリット
劣後債に投資するメリットは、相対的に高い利回りを期待できることです。特に近年、自己資本規制の強化により財務の健全性が高まった金融機関が発行する劣後債は、普通社債より利回りが高いことから日本においても投資対象として人気を博してきました。
劣後債は、購入に必要な最低金額が高いことや、より高度な発行体のデフォルト・リスクの分析が必要となることなどが個人で売買する場合のハードルとなりますが、投資信託を介して投資するという選択肢があります。劣後債を中心に投資する投資信託や、ハイブリッド証券に投資する投資信託などが日本において販売されており、個人での購入が可能です。投資信託を利用した場合、少額から投資が可能で、また通常、多くの銘柄に分散投資されるため、デフォルト・リスクを分散することができます。